2011年5月17日火曜日

雨宿り物語り

空を甘く見たせいで、豪雨に見舞われてしまった。あわてて駆け込んだマンションの入り口で雨宿り。まずはパズーにレインコートを。 アタシは水が滴り過ぎたイッチャッタ女。その時です!背後から渋い男性の声が…。
「傘をお持ちなさい、犬は濡れてしまうけど、あなたさえヌレナケレバいいんだから」
こういう時は、意識的な振り返り方をしなくちゃダメ。恋の芽はどこにスッコロがってるかわかんないんだものね。アタシは濡れ髪をかきあげながら、おもむろに立ち上がり、「ご親切にありがとう」と言って微笑みと憂いの表情で振り返った。
柔和な顔の、マンションの管理人さんらしき殿方から、ビニガサを受け取る。
そしてパズーは吠えた。「ヴ〜ッ、ワン」 たとえ好みの男性じゃなかったとしても、吠えたりしたらダメです。
パズー「ひどい散歩だったね」
アタシ「うん。好みの散歩じゃなかったかも」
アナタサエヌレナケレバ物語り。完

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