2012年6月7日木曜日

デルフィニウムの思い出

高校卒業後、すぐに三畳ひと間のアパートで独り暮らしを始めた。30年以上昔の事。隣の三畳間には、9歳年上のとてもきれいなお姉さんが住んでいた。お花屋さんで働いていて、彼女の狭い部屋はいつも様々な花や観葉植物が育っていた。
劇団の卒業公演楽日、カーテンコールで舞台に並んでいると、客席からひときわ洗練された丈の長いデルフィニウムの花束を持って近づいてきたのが彼女で、おめでとう!と手渡してくれた。 それから半年後にお嫁に行き、三畳間は空っぽになった。 3人の男の子に恵まれたと聞いたけれど、今は居所がわからない。青春時代の青い花の思い出。

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