2011年2月15日火曜日

お父さんへ

                             
 

 十三回忌です。おめでとう。
天国でお母さんに会えましたか? あの調子で追いかけていたとしたら、嫌がられているんじゃないかと想像したりもするけど、やっぱり会えていたら良いなと思います。
だって、海で家族が溺れたら、父さんは子供よりも母さんを助けると言ったほど溺愛してたから。
自宅介護と、緩和ケア病棟に毎日通い続けた日々は、思い返して見れば短かったです。
あの時は、病院へ行く道を運転しながら泣いたけど。
あなたは、お父さんと言うよりも先生みたいで、日曜日が苦痛でした。でも、死に様を見せて貰って、お父さんの娘として生まれた事を感謝しています。
チビ二人は、なんと!成人して、社会人になったり大学院に通ったりしています。
アタシは、残念ながら、お父さんの思うような生き方はしていないかもしれない。姿を見たら眉間に皺を寄せるかもです。だけど、お父さんが貫いた良心の基本みたいなものは引き継いでいると自負しています。
モルヒネを増やして眠らせて欲しいと言われた時、アタシは特急で先生の所に飛んで行きました。それが娘として出来る最後の孝行だと思ったから。
あなたの人生はいかがでしたか?という婦長さんの問いに、お父さんは手を大きく伸ばして丸くして、「二重丸の人生でした」と答えました。
生きると言う事の何かを学んだと思いました。アタシも、二重丸と言いながら消えて行けるように頑張ります。 そのうち、また会える時が来るのかどうか解らないけど、天国組では一緒に暮らすのは止めましょう。 ほどほどの距離。それがお父さんの希望だと思うし、マクロビオティック自然食は無理だから、アタシ。遺言どおりに、画はすべて保存してますから心配なく。

法要はしません。
お墓参りにも行きません。
俗名のままでと言い張って作った位牌を、ちょっと見るだけにしておきます。 

 

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