2011年3月24日木曜日

七宝繋ぎ

七宝って、仏教では金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう) の事らしい。和柄の中でも、好きな紋様。
もう20年くらい前に母が亡くなった時、箪笥の抽斗から見つけた和布と、アタシの持っていた和布とをチクチク繋ぎ合せる事1年半。 多分、今だったら出来ないんじゃないかと思える細かい手縫いの作業で造ったタペストリー。 あれはきっと、別れの哀しみから立ち上がる為に、必要な作業だったような気がする。 出来あがった時に、吹っ切れた。
打ち寄せられる様々な出来事も、出会う人や動物とも、ささやかな仕事も、こんなふうに繋ぎ合せて行くように生きられたらいいな。 不出来だろうが、配色が悪かろうが、ただ黙々と。
完成された1つの作品など出来あがらずに、製作途中で人生は幕引きになるんじゃなかろうか・・。
それでも、何かを繋ごうとしていた人だったんだなと思ってもらえるくらいの布を遺せたら、それで充分な気がするね。 

1 件のコメント:

  1. ちくちくちくちく縫っていたのを覚えている。

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