2012年1月20日金曜日

もう1つ

きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒(ほうき)になった

きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た

冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た

高村光太郎

この詩も暗記している。冬よ私に来い…と口ずさんだ記憶。

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